無実(読み)むじつ

精選版 日本国語大辞典 「無実」の意味・読み・例文・類語

む‐じつ【無実】

〘名〙 (形動)(古くは「むしつ」)
実質がないこと。事実がないこと。また、そのさま。
将門記(10C中)「謀叛无実之由を以同年五月二日言上」 〔管子‐明法解〕
② 誠実な心がないこと。良い内容がないこと。また、そのさま。
源平盛衰記(14C前)一八大国の王は破戒なれども比丘をば敬ひ、無実(ムジツ)なれども、勧進をば奉加す」
③ 特に、罪に値する事実がないのに罪があるとされること。ぬれぎぬ。えんざい。無失。
※中右記‐元永二年(1119)八月二八日「両人之心迷前後詞、誠以不便歟、凡巧出無実之条、只仰天道許也」
日葡辞書(1603‐04)「ヒトニ muxituo(ムシツヲ) イイ カクル〈訳〉虚偽証言をする」

む‐じち【無実】

〘名〙 (「むしち」とも) =むじつ(無実)色葉字類抄(1177‐81)〕

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デジタル大辞泉 「無実」の意味・読み・例文・類語

む‐じつ【無実】

[名・形動]《古くは「むしつ」》
事実がないこと。実質がないこと。「有名無実
罪を犯していないのに、罪があるとされること。冤罪えんざい。「無実の罪」「無実を訴える」
誠実さがないこと。また、そのさま。
「破戒なれども比丘をば敬ひ、―なれども勧進をば奉加す」〈盛衰記・一八〉
[類語]無辜無罪濡れ衣冤罪無実の罪

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普及版 字通 「無実」の読み・字形・画数・意味

【無実】むじつ

事実がない。

字通「無」の項目を見る

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