無愛(読み)むあい

精選版 日本国語大辞典 「無愛」の意味・読み・例文・類語

む‐あい【無愛】

〘名〙 (形動)
仏語欲心のないこと。満足してそれ以上の欲求心がないこと。また、そのさま。
教行信証(1224)五「若得於阿耨多羅三藐三菩提已、无愛无疑。无愛无疑即真解脱」
愛想のないこと。おもしろくないこと。不都合なこと。また、そのさま。ぶあい。
源平盛衰記(14C前)二八「木曾無愛(ムアイ)に返事する様は」

ぶ‐あい【無愛】

〘名〙 (形動) 愛想のないこと。興ざめなこと。不都合なこと。また、そのさま。むあい。
大鏡(12C前)二「なにがしぬしのひきとどめられけるこそ、いと無愛のことなりや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「無愛」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐あい【無愛/不愛】

[名・形動ナリ]
愛想がないこと。また、そのさま。むあい。
「実房は直衣なほしの袖中門廊の妻戸にさし出すやうにて、―にのみふるまひければ」〈愚管抄・五〉
おもしろくないこと。不都合なこと。また、そのさま。
「此の殿人にもあらぬ者の、宵暁に殿の内より出で入りする、極めて―なり」〈今昔・二三・一六

む‐あい【無愛】

[名・形動]
仏語。愛執の心がないこと。
ぶあい(無愛)」に同じ。
木曽―に返事する様は」〈盛衰記・二八〉

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