無音(読み)ぶいん

精選版 日本国語大辞典 「無音」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐いん【無音】

〘名〙
挨拶をしないこと。ことわりもなく行なうこと。ひそかにすること。
※後二条師通記‐康和元年(1099)五月一八日「仲宗妻姉妹二人従類等、無音上洛」
② 久しく音信をしないこと。
今昔(1120頃か)二「今や返すと待に无音也」
③ 発言しないこと。隠して言わないこと。無言
※今昔(1120頃か)二七「今や物云ひ懸と待けるに、无音に過れば」
④ 不調法。不行届失礼
浄瑠璃・加増曾我(1706頃)一「幼な顔を見違へし、ぶいんは御免と色代有」

む‐おん【無音】

〘名〙 音がしないこと。音が聞こえないこと。〔英和外交商業字彙(1900)〕 〔淮南子‐原道訓〕

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デジタル大辞泉 「無音」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐いん【無音】

久しく便りをしないこと。音信がとだえること。無沙汰ぶさた。「御無音に打ち過ぎ申し訳ございません」
しかるべきあいさつや、ことわりのないこと。
「―に乱入の条、甚だいはれなし」〈保元・中〉
黙っていること。無言。
「今や物言ひ懸くる、と待ちけるに、―に過ぐれば」〈今昔・二七・一三〉
[類語]無沙汰久闊きゅうかつ梨のつぶて音信不通

む‐おん【無音】

音がしないこと。音が聞こえないこと。「無音室」「無音ピアノ」
[類語]ひっそりしんとしいんとひそやか音無し微音しめやか静まり返る水を打ったよう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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