無風(読み)むふう

精選版 日本国語大辞典 「無風」の意味・読み・例文・類語

む‐ふう【無風】

〘名〙
① 風がないこと。気象用語では、煙がまっすぐに上がる程度の気流状態をいう。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生東京を去る「全くの無風にじっとして座談をしてゐる中にもじりじりと膏汗全身ににじむやうな暑さだった」
② 他からの影響を受けず、波乱が全くないことのたとえ。平穏であること。
青年(1910‐11)〈森鴎外〉一七「おちゃらの顔の気象は純然たる Calme が支配してゐる。無風(ムフウ)である」
能楽で、目立った美しさや特別の技巧のないこと。内に美をひそめること。
至花道(1420)皮・肉・骨の事「既に至上にて、安く、無風の位になりて」

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デジタル大辞泉 「無風」の意味・読み・例文・類語

む‐ふう【無風】

風がないこと。
波乱・混乱のないこと。他からの影響がなく平穏なこと。「無風状態の相場」
[類語]雨風波風風浪風雪風雨微風そよ風軟風強風突風烈風疾風はやて大風颶風暴風爆風ストーム台風ハリケーンサイクロン神風砂嵐つむじ風旋風竜巻トルネード追い風順風向かい風逆風横風朝風夕風夜風春一番春風しゅんぷう春風はるかぜ花嵐薫風風薫る緑風やませ涼風すずかぜ涼風りょうふう秋風野分き木枯らし空風寒風季節風モンスーン貿易風東風ひがしかぜ東風こち西風偏西風南風みなみかぜ南風はえ凱風北風朔風松風まつかぜ松風しょうふう山風山颪谷風川風浜風潮風海風陸風熱風温風冷風

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普及版 字通 「無風」の読み・字形・画数・意味

【無風】むふう

風がない。

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