然なり(読み)さなり

精選版 日本国語大辞典 「然なり」の意味・読み・例文・類語

さ【然】 なり

① そうだ。そうである。いかにもそのようだ。
平中(965頃)三六「こののぞき給へる人は、この南に宿り給へるかと問ふ。さなり、さてその人ぞなど問へば」
② そうあるべきである。当然である。
今昔(1120頃か)二九「然(さら)ば殿許(ばかり)入り給へ。〈略〉貞盛、然也(さなり)と云て、我許入て」
[補注]「さるなり」の変化であるとする説もあるが、疑わしい。応答、あいづちのことばとして用いることが多い。

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デジタル大辞泉 「然なり」の意味・読み・例文・類語

しか◦なり【然なり】

[連語]副詞「しか」+断定の助動詞「なり」》そうである。
しゃうあるもの、死の近き事を知らざる事、牛、既に―◦なり」〈徒然・九三〉

◦なり

そうである。そのとおりだ。
「―◦なりとて過ぐしつ」〈今昔・二三・一六

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