デジタル大辞泉
「然もそうず」の意味・読み・例文・類語
然もそうず
1 《「さもさうらはず」の音変化》いや、そうではない。とんでもない。
「―。入道殿こそ過分の事をばのたまへ」〈平家・二〉
2 《「さもさうらはんず」または「さもさうらはんとす」の音変化》それもそうであろう。いかにもそのとおりであろう。
「―さもあらん、此の度は仕損ずとも」〈浄・出世景清〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
さも【然も】 そうず
① (「そうず」は「候はず」の変化したもの)
相手の
発言を受けて、それを強く否定するいい方。そんなことはありません。とんでもありません。
※平家(13C前)九「『敵にはどこをきらはふぞ。直実におしならべてくめやくめ』といひけれども、さもさうず、とてひっかへす」
② (「そうず」は「候はむとす」の変化したもの) 相手の発言を受けて、それを
容認、肯定するいい方。そうであろう。その
通りだろう。
※
義経記(室町中か)七「今度の下りに持ちて下り、喜ばせんが為にて候ぞと言ひければ、それはさもさうず、と申す」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報