せん【煎】
〘名〙
① 火にかけて汁がなくなるまで煮ること。炒(い)ること。
※二十巻本和名抄(934頃)一二「
煎薬 考声切韻云煎〈煎
一音箭〉煑薬汁令稠也」 〔
方言‐巻七〕
②
煎茶(せんちゃ)。また、煎茶の法、あるいは
煎茶道。
※
随筆・清風瑣言(1794)序「余嘗謂、点者為
レ賢、煎者為
レ聖」
※随筆・
胆大小心録(1808)一三九「煎は気のみなれば、眠をさまし、且心をすます益あり」
せん‐じ【煎】
① せんじること。煮出すこと。
② (煎脂) かつおぶし製造の
さいの
煮汁を煮つめたもの。
調味料とする。いろり。
煮取(にとり)。《季・夏》
※
浮世草子・新吉原常々草(1689)上「内に小判よみて是をたのしみにせんじ呑て暮しける」
せん・じる【煎】
〘他ザ上一〙 (サ変動詞「せんずる(煎)」の上一段化したもの) =
せんずる(煎)※志都の岩屋講本(1811)上「泡立たしてそれで煎じるの。又は
傷寒などの類」
いれ【煎】
〘名〙
相場の
下落を予想して空売りしたのに、相場が高くなった時、損を
承知で買い戻すこと。踏み。
※大坂繁花風土記(1814)米方通言「いれ。損して買うて仕舞ふ売方」
せん‐・ずる【煎】
〘他サ変〙 せん・ず 〘他サ変〙 煮つめて
成分や薬分をとりだす。薬や茶などを煮つめる。煎じる。
※観智院本三宝絵(984)下「茶を煎し
菓子をそなふ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「煎」の意味・読み・例文・類語
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