燃焼装置(読み)ねんしょうそうち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「燃焼装置」の意味・わかりやすい解説

燃焼装置
ねんしょうそうち

燃料を燃焼させる装置。内燃機関では機関そのものが燃焼装置であり、連続燃焼型の内燃機関では燃焼器、往復動機関では燃焼室をもつ。しかし普通は、外燃式の熱機関のボイラー焼却炉など加熱のための高温ガスをつくったり、単に燃焼させるためのものをいう。燃料供給装置、空気供給装置、燃焼炉、排気ガス処理装置などからなる。

 液体燃料(多くは重油などの石油、最近はアルコールを燃料とすることもある)は予熱してから高圧で噴霧し、空気と急速に混合して燃焼させる方法と、蒸発器で燃料を蒸発させ急速に空気と混合して燃焼させる方法がある。これらのバーナーでは吹き込む空気流で火炎が吹き消されないような保炎装置をもつ。ガス燃料も液体燃料と同様のバーナーを用いて燃焼させる。

 固体燃料は、火床とよばれる火格子の上で燃焼させる方法、燃料を微粉にし液体燃料と同様のバーナーで燃焼させる方法、炉の下部に多孔板、その上に石炭灰などを置きその中に燃料の小粒子を入れ、下から空気を送って混合しながら燃焼させる流動床の方法の三つがある。火格子燃焼では、火格子に供給された燃料が乾留されながら燃焼し、灰は格子の下に落ちる。火格子は大量燃焼に適さないが、都市廃棄物燃焼などにも用いられている。どの燃焼装置でも、排気処理を行い大気汚染を防止している。

[吉田正武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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