燗酒(読み)かんざけ

精選版 日本国語大辞典 「燗酒」の意味・読み・例文・類語

かん‐ざけ【燗酒】

〘名〙 温めた酒。かんしゅ。⇔冷や酒。《季・冬》
多聞院日記‐天文一二年(1543)三月二三日「酒を進めけるに、かん酒にてありしか、一坏請て彼赤沢かつらゑ其儘不呑打付られ了」

かん‐しゅ【燗酒】

※虎明本狂言・麻生(室町末‐近世初)「『あすのいはひは、いつものごとくか』『中々御かれいのごとく、まづ引わたし、かんしゅでござる』」

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デジタル大辞泉 「燗酒」の意味・読み・例文・類語

かん‐ざけ【×燗酒】

をした日本酒 冬》
[類語]冷や酒冷酒熱燗燗冷まし

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飲み物がわかる辞典 「燗酒」の解説

かんざけ【燗酒】


燗をして温めた日本酒。温度の高い順に「飛びきり燗」「熱燗」「上燗」「ぬる燗」「人肌燗」「日向(ひなた)燗」がある。

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世界大百科事典(旧版)内の燗酒の言及

【酒】より

…飲むにあたって酒坏(さかずき),酒盞(さかずき),鋺(まり)などが用いられ,この酒坏,酒盞などはカシワの葉の上にのせられるのが酒宴の作法であった。古代の酒宴での酒は燗酒(かんざけ)ではなく冷や酒であった。〈儀制令〉の春時祭田条によれば,奈良時代の村では春,郷の老人を集め郷飲酒礼がなされていたし,766年(天平神護2)の越前国足羽郡の郡司の出した書類では,彼は神の社の春の祭礼に酔伏し,装束をつけることもかなわぬようなありさまであった。…

※「燗酒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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