爪痕(読み)つめあと

精選版 日本国語大辞典 「爪痕」の意味・読み・例文・類語

つめ‐あと【爪痕】

〘名〙
① 物についている爪のかた。
② 爪でかいた傷のあと。
※うたかたの記(1890)〈森鴎外〉下「顔に王の爪痕を留めて死したりといふ」
③ 比喩的に、台風やなだれ、また、大きな事件などが残した無残な被害影響などをたとえていう。
※夜と霧の隅で(1960)〈北杜夫〉七「はずれにある病院では感じとれぬ戦火の爪跡をどぎつく印していたのである」

そう‐こん サウ‥【爪痕】

〘名〙 爪をたてたり、爪でひっかいたりしたあと。つめあと。
一年有半(1901)〈中江兆民〉一「大丈夫一たび此地球上に生る必ず之れに一大爪痕を印す可きのみと」 〔陸游‐示子詩〕

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デジタル大辞泉 「爪痕」の意味・読み・例文・類語

つめ‐あと【爪痕】

爪でかいた傷あと。「猫の爪痕
天災戦争などが残した被害や影響。「台風の爪痕
[補説]近年、「爪痕を残す」という言い方で、本来意味とは異なる「成果をあげる」「印象づける」「一矢を報いる」などの意味で用いられることがある。

そう‐こん〔サウ‐〕【爪痕】

つめをたてたり、つめでひっかいたりしたあと。つめあと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「爪痕」の読み・字形・画数・意味

【爪痕】そうこん

爪のあと。

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