片切彫(読み)かたきりぼり

精選版 日本国語大辞典 「片切彫」の意味・読み・例文・類語

かたきり‐ぼり【片切彫】

〘名〙 彫金一つ片側垂直反対側は斜めになる刃を持つ鏨(たがね)を用い、線で文様を表わす。装剣金具によく用いられ、元祿年間(一六八八‐一七〇四)、横谷宗珉(よこやそうみん)がはじめたという。
※こしかたの記(1961)〈鏑木清方梶田半古先生描線には金工の為る片切彫を感じさせるものがあることと」

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デジタル大辞泉 「片切彫」の意味・読み・例文・類語

かたきり‐ぼり【片切(り)彫(り)】

彫金技法の一。片切りたがね片方を斜めに彫って線を描くもの。江戸時代横谷宗珉よこやそうみん創意によると伝えられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「片切彫」の意味・わかりやすい解説

片切彫
かたぎりぼり

彫金の一技法。金属面に片刃の鏨 (たがね) を斜めに打込んで,肥痩 (ひそう) のある線を彫刻する。円山派絵画の付立 (つけたて) の筆法を彫金で表わしたもので,鏨先を深く一刀で彫り込む。横谷宗 珉 (よこやそうみん) の創意になると伝えられる。

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