牛伏寺(読み)ごふくじ

日本歴史地名大系 「牛伏寺」の解説

牛伏寺
ごふくじ

[現在地名]松本市内田

「うしぶせでら」ともいう。山号は金峰山本尊は十一面観音。初め高野山竜光院末であったが、明治末年末寺九ヵ寺を率いて新義真言宗京都智積院の末寺となった。現在は真言宗智山派。鉢伏はちぶせ山の西麓、内田牛伏の地にあり、牛伏うしぶせ川の谷を通して松本平を望む。深い牛伏川の谷の右岸は古代牧場のあった埴原はいばらの地、左岸は内田のけいと山すなわち内田牧の地である。牛伏川の作る扇状地の中央を西に下ると「延喜式」記載の良田郷の一部とみられる小池、更に川を渡って西に下ると、「延喜式」記載の官道の覚志かがし駅のあった村井に達する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「牛伏寺」の意味・わかりやすい解説

牛伏寺
ごふくじ

長野県松本市内田にある真言宗智山(ちさん)派の寺。金峰山と号する。寺伝では聖徳太子のときに鉢伏山(はちぶせやま)に本尊を安置したのを開創としている。寺号の由来は、唐の玄宗(げんそう)皇帝から贈られた『大般若経(だいはんにゃきょう)』を牛車で善光寺に運ぶ途中、当寺の門前で牛が動かなくなり、使者が当寺に経巻を納めたという伝承による。1534年(天文3)中興の憲淳(けんじゅん)によって現在地に移築。現在の建物は江戸時代のものが多い。本尊十一面観音(かんのん)像および脇侍(わきじ)、釈迦(しゃか)三尊像などの仏像が国の重要文化財に指定されるほか、書跡、古文書など多くの文化財を蔵している。なお、本尊は「うしぶせ厄除(やくよけ)観音」といわれ人々の信仰を集める。

[眞柴弘宗]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

事典・日本の観光資源 「牛伏寺」の解説

牛伏寺

(長野県松本市)
信州の古寺百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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