精選版 日本国語大辞典 「牢籠」の意味・読み・例文・類語
ろう‐ろう ラウ‥【牢籠】
〘名〙
① とりこめること。ひとまとめに自分のものとすること。
② 人前に出ないこと。勝手にひきこもること。
※小右記‐寛仁元年(1017)八月二一日「此間牢籠不レ候二御送一」
③ 作法に従わないこと。あわててとりみだすこと。
※小右記‐正暦六年(995)正月二日「左大臣追参二於院一〈乗車〉参議時光乗車、牢龍候レ院」
※源氏(1001‐14頃)若菜下「胸つぶれて、かかる折りのらうろうならずはえ参るまじく」
④ 正当でないこと。
※小右記‐長徳三年(997)七月五日「謂年号村上朝之年号、除目者冷泉院之除目、配代之冷泉院御宇耳、牢籠之詞」
⑤ 主権を犯され、自由を失うこと。
※東南院文書‐天喜四年(1056)二月二三日・散位藤原実遠所領譲状案「右、件所所先祖相伝領掌、老乱之間、或荒廃或牢籠」
※太平記(14C後)三三「故無く懸命の地を没収せられ、伯父甥共に牢籠(ラウロウ)の身と罷なる間」
※明月記‐建久九年(1198)二月一九日「修理用途可レ及二七千疋一歟〈略〉自レ上可レ進二三千疋一之由被レ仰。上下牢籠之間、大略欲二闕如一」
⑦ 籠絡すること。人をうまくまるめこむこと。
⑧ 牢屋に押し込めること。また、牢屋に押し込められること。
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