物々交換(読み)ぶつぶつこうかん(英語表記)barter

翻訳|barter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「物々交換」の意味・わかりやすい解説

物々交換
ぶつぶつこうかん
barter

物またはサービスを直接交換することであり,ある一定の契約による交換を含む。贈物交換がほとんど同一集団で行われるのに対して,物々交換は異集団間にまたがって行われる。贈物交換と物々交換は,トロブリアンド諸島民にみられたように共存することが多い。財宝を交換するクラと,日用品や食料の交換であるギムワリとは区別された。日本では農村漁村の間で多く行われ,このためナダマワリあるいはイタダキなどと呼ばれる漁村の女性が海産物を携えて農村を訪れた。また油と菜種,酒と米のように製品と原料を交換する例も知られている (→いただき ) 。このような物々交換が,日を定め場所を決めて組織的に行われるようになって,さまざまなが生れたと思われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の物々交換の言及

【貨幣】より

…そして,経済取引における決済手段としての貨幣の導入は,経済社会の発展を支える重要な条件になったと考えることができよう。交換手段としての貨幣が存在しない経済においては,人々が直接に財,あるいはサービスを交換するという,物々交換が行われなければならない。このような物々交換では,一人の取引主体はみずからの保有する財・サービスを欲すると同時に,みずからが望んでいる財・サービスを保有している相手を探し出さなければならない。…

※「物々交換」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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