ぶつめい‐か【物名歌】
〘名〙
和歌や
俳諧で、歌や句の
意味に関係なく物の名を詠みこんだもの。「
古今‐
物名」の「山高み常にあらしのふくさとはにほひもあへず花ぞちりける」に「しのぶぐさ」を詠みこんだ類。もののな。隠し題。
※
実隆公記‐文明七年(1475)六月一八日「今日又参
二御所
一、代々集物名歌等書写了。目付字進
二上若宮御方
一了」
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デジタル大辞泉
「物名歌」の意味・読み・例文・類語
ぶつめい‐か【物名歌】
和歌・連歌・俳諧で、歌や句の意味とは関係なく物の名を詠み込んだもの。古今集の「心から花のしづくにそぼちつつうくひずとのみ鳥のなくらむ」にみえる「うくひず(憂く干ず)」に「うぐいす」を詠み込んだ類。隠し題。
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物名歌
ぶつめいか
和歌の分類の一つ。「もののな」の歌,隠題 (かくしだい) の歌ともいう。事物の名を歌の意味とは無関係に詠み込んだ遊戯的な和歌。動植物名,地名,食品名などが多い。物名は1つに限らず,十二支を2首の歌に詠み入れた例 (『拾遺集』) もあり,また「をみなへし」を折句にした例 (『古今集』) など特異なものもある。その萌芽は『万葉集』巻十六の長忌寸意吉麻呂 (ながのいみきおきまろ) の歌にみられる。平安時代に入って和歌が宮廷貴族社会に浸透するにつれて盛んになり,『宇多院物名歌合』が催されたり,藤原輔相 (すけみ) のような物名歌に堪能な歌人が出たりした。また『古今集』『拾遺集』『千載集』には「物名」の部立が設けられた。鎌倉時代以降は衰えた。
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