物怪・勿怪(読み)もっけ

精選版 日本国語大辞典 「物怪・勿怪」の意味・読み・例文・類語

もっ‐け【物怪・勿怪】

〘名〙 (形動) (「もののけ」の変化した語)
① 思いがけないこと。意外なこと。不思議なこと。あやしいこと。また、そのさま。もっかい。
史記抄(1477)三「牝は不鳴ものぞ〈略〉鳴けばもっけで、家のつくる兆ぞ」
② けしからぬこと。不吉なこと。また、そのさま。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※古活字本荘子抄(1620頃)八「名は儒者墨者の如は凶器也、もっけの器也」
菅江真澄遊覧記(1784‐1809)迦須牟巨麻賀多「物化(モッケ)の姿(さま)に身を餝りなして念仏をうたひて」
[補注]「平家物語」の章題名「物怪之沙汰」の「物怪」は、よみの明らかに示されているものにより、普通「もっけ」とよまれる。

も‐け【物怪・勿怪】

〘名〙 (形動) 思いがけないこと。意外なこと。不思議なこと。また、そのさま。もっけ。
※梵舜本沙石集(1283)八「あの地蔵ならば、鵠一にかへなむと、云を聞て、もけの事ききつと思て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android