物種(読み)モノダネ

デジタル大辞泉 「物種」の意味・読み・例文・類語

もの‐だね【物種】

物事もととなるもの。ものざね。「命あっての物種
穀物野菜草花などの種。たねもの。 春》
[類語]始め始まり起こりもと発端ほったん端緒濫觴らんしょう嚆矢こうし権輿けんよ起源根源源流本元温床源泉糸口とば口取っ掛かり手掛かり足掛かり道を付ける

もの‐ぐさ【物種】

物事の材料。物事のたねとなるもの。
桜花わが宿にのみありと見ばなき―は思はざらまし」〈拾遺・雑春〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物種」の意味・読み・例文・類語

もの‐だね【物種】

〘名〙
① 物事の根元となるもの。物の種。ものざね。ものしろ。
書紀(720)神代上(寛文版訓)「其の物根(モノダネ)を原(たつ)ぬれば、則ち八坂瓊(やさかに)五百箇御統(いをつみすまる)は、是れ吾(あ)が物(もの)なり」
狂言記・武悪(1660)「命が物だねぢゃ」
② 穀物・野菜・草花などの種。たねもの。《季・春》
咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上「天火、地火に物種をまいては、生へぬが不思議でもなひ」
※俳諧・蕪村句集(1784)春「物種の袋ぬらしつ春のあめ」
④ 何かのもとになる物。材料。
半七捕物帳(1923)〈岡本綺堂帯取の池「相当の物種(モノタネ)を遣って世間を騒がせて、蔭で手をうって喜んでゐるやうな悠長な人間は少くなった」

もの‐ぐさ【物種】

〘名〙 物事のたねとなるもの。物事の材料。
※拾遺(1005‐07頃か)雑春・一〇三八「桜花我が宿にのみありと見ばなき物くさは思はざらまし〈凡河内躬恒〉」

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