特別償却(読み)トクベツショウキャク(英語表記)special amortization

デジタル大辞泉 「特別償却」の意味・読み・例文・類語

とくべつ‐しょうきゃく〔‐シヤウキヤク〕【特別償却】

特定設備を購入し使用した場合に、一定期間に限って減価償却費通常より多く計上できる制度課税所得が減額され、税負担が軽減するため、キャッシュフローが改善し、設備投資促進が期待される。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「特別償却」の意味・読み・例文・類語

とくべつ‐しょうきゃく ‥シャウキャク【特別償却】

〘名〙 法人税法規定による通常の減価償却限度額を超えて、投資の行なわれた当初に投資額の一定割合を損金に算入することを認めた税法上の制度。産業合理化と設備投資の促進などを目的とする。初年度特別償却ともいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「特別償却」の意味・わかりやすい解説

特別償却
とくべつしょうきゃく
special amortization

特定の資産について認められている加速償却のこと。 (1) 税法上の特別償却。産業合理化の促進を目的とし,3年間は普通償却の 50%増の償却を許容するものと,初年度に取得原価の 50%を一時に償却することを認めるものとがある。 (2) 経常的償却および臨時償却と比較される特別償却。あらかじめ耐用年数計算に見込まれていなかった突発的な減価の発生を一時に償却する方式であり,災厄的減価償却とか市価減価償却と呼ばれている。突発的な減価の原因としては,災害などによる設備の破壊などがある。この種の減価は価値移転的な減価ではなく,財産的損失であるから,当期の営業成績を測定する経常損益の計算から除外され,特別損益の部で計算される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「特別償却」の解説

特別償却

法人税特別措置法などに基づき、通常の減価償却費以上の超過償却を計上すること。資産の取得価額の一定割合を乗じた金額を加算し、必要経費などに算入できる。主に低開発地域における工業用機械、建物等において認められるもので、投下資本の早期回収や資金繰りの緩和を図り、産業基盤の強化を図るのが狙い。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の特別償却の言及

【減価償却】より

…減価償却は,推定(予測)計算という特質をもつため,予測可能な要素に基づく経済価値の消耗分の把握を基本とするが,固定資産の価値は予測できない災害等の突発事故によっても消滅する。予測できない事実による消滅は,予測可能な要素による普通の減価償却と区別して特別償却ないし評価減と呼ばれる。それは,臨時的性格のもので時として臨時償却とも呼ばれる。…

※「特別償却」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android