精選版 日本国語大辞典 「犬桜」の意味・読み・例文・類語
いぬ‐ざくら【犬桜】
〘名〙 バラ科の落葉高木。本州中部以西の山野に生える。高さ約八メートルに達し、樹皮は暗灰色、小枝は灰白色。葉は長さ六~一〇センチメートル、幅二~四センチメートルの長楕円形状で縁に向かい鋸歯(きょし)があり、基部はくさび形。春、白い花が二年生の枝に総状にあつまり咲く。花弁は五枚で雄しべより短い。実は球形で黄赤色、のち紫黒色に熟す。サクラの一種だが、花が見劣りするのでこの名がある。しろざくら。したみずざくら。《季・春》
※散木奇歌集(1128頃)春「山かげにやせさらぼへるいぬ桜おひはなたれてひく人もなし」 〔日本植物名彙(1884)〕
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