政治家。犬養毅(つよし)の実子として東京に生まれる。学習院高等科卒業、東京帝国大学哲学科中退。学生時代に白樺(しらかば)派の影響を受ける。『一つの時代』『南京(ナンキン)六月祭』などの創作集を出す。1930年(昭和5)政友会から立候補し当選、以来2選。1931年父、毅の首相就任に伴い首相秘書官。日中戦争期は汪兆銘(おうちょうめい/ワンチャオミン)政権樹立に尽力。1941年ゾルゲ事件で検挙されたが無罪となる。敗戦後、進歩党結成に参加、同党総務会長、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)内閣の外務政務次官を務める。1947年(昭和22)公職追放、翌1948年解除され、同年12月昭電疑獄事件で芦田均(あしだひとし)逮捕の後を受け民主党総裁となる。1949年保守連携を推進するが民主党分裂をきたした。1951年自由党に入党、第四次、第五次吉田茂内閣の法相を務め、1954年造船疑獄をめぐり指揮権を発動し、その責を負って辞任。著書に『揚子江(ようすこう)は今も流れている』がある。
[小田部雄次]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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