独立リーグ(読み)ドクリツリーグ

デジタル大辞泉 「独立リーグ」の意味・読み・例文・類語

どくりつ‐リーグ【独立リーグ】

米国で、メジャーマイナーの各リーグに所属せず、独立して運営興行しているプロ野球リーグ。日本でも平成17年(2005)春、四国アイランドリーグ(平成23年から四国アイランドリーグplus)が発足

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「独立リーグ」の意味・わかりやすい解説

独立リーグ
どくりつりーぐ

日本野球機構(NPB:Nippon Professional Baseball Organization)が運営するプロ野球を除いた、国内のプロ野球リーグの総称。プロ野球独立リーグともいう。広義に社会人野球リーグを含むことがある。2015年(平成27)12月時点で、四国の4チームによって組織された四国アイランドリーグplus(四国ILリーグ)、北陸や信越地方などを拠点とする8チームが集まったルートインBCリーグ、大阪と兵庫の3チームによるベースボール・ファースト・リーグ(BFリーグ)の三つが組織されている。さらに、女子野球の独立リーグとして、日本女子プロ野球機構がある。

 2005年にもっとも早く誕生した四国アイランドリーグ(2011年に四国アイランドリーグplusに改称)は、無名の選手や若い選手にチャンスを与え、野球を通じて地域を活性化することを目ざし、元プロ野球選手の石毛宏典(いしげひろみち)(1956― )が中心となって結成された。リーグが設立された時期は長引く不況の影響を受け、有力な社会人野球チームの廃部が相次いでいた。翌2006年には、新潟、富山、石川、長野の4県を拠点とする4チームによって、北信越ベースボール・チャレンジ・リーグ(2007年にベースボール・チャレンジ(BC)リーグに改称)が設立された。その後、BCリーグには群馬、福井、埼玉、福島を拠点とする4チームが加わり、2014年にルートインBCリーグに改称。2015年度は全8球団で組織されている。また、2014年には、活動停止となった関西独立リーグに参加していた大阪と兵庫の3チームが独立し、ベースボール・ファースト・リーグ(BFリーグ)を結成した。

 女子野球の独立リーグである一般社団法人日本女子プロ野球機構は、2007年に開かれた女子全国高校野球大会をきっかけに、女子硬式野球リーグの創設に向けた準備が始まり、2009年に株式会社日本女子プロ野球機構Girls Professional Baseball League(GPBL)として設立された。発足時は、関西圏2チームの構成であったが、2014年には運営組織が一般社団法人となり、2015年時点では、宮城、埼玉、京都、兵庫地域の全4チームでリーグが構成されている。

 独立リーグは19世紀のアメリカで始まり、アメリカとカナダに10組織前後の独立リーグがある。これらはメジャーリーグマイナーリーグへの参加や復帰を目ざす選手の登竜門として位置づけられている。アメリカやカナダの独立リーグに参加している日本人選手も少なくない。

[編集部]

日本独立リーグ野球機構

独立リーグの四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグの合同機構として発足した一般社団法人。英語の名称はJapan Association of Independent Professional Baseball Leagueで、略称IPBL Japan。国内の独立リーグの実質的な代表団体として位置づけられ、国内外のプロ野球会やアマチュア野球会との窓口となっている。事務局は東京都千代田区にある。2010年に国内の四つの独立リーグが中心となって創設された独立リーグ連絡協議会が前身。2014年に一般社団法人日本独立リーグ野球機構となった。2015年時点では、ベースボール・ファースト・リーグは同機構に加入していない。また、日本女子プロ野球機構は協力団体として位置づけられている。

[編集部]

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知恵蔵 「独立リーグ」の解説

独立リーグ

日本野球機構(NPB)が運営するプロ野球とは別に、地域などでつくられた組織が独自に試合を開催している野球のリーグ。代表的なものとして、四国の4球団が競う「四国アイランドリーグplus(IL)」や、新潟・富山・石川・長野・福井・福島・群馬・埼玉の8球団で争う「ベースボール・チャレンジリーグ」(BCリーグ)がある。他には、2009年に設立された「日本女子プロ野球機構」(10年からリーグ戦)、14年に発足した関西を中心とする「ベースボール・ファースト・リーグ」(BFL)などが活動している。
四国IL (当時は四国アイランドリーグ)は05年、NPBの西武ライオンズでプレーし、オリックス監督も務めた石毛宏典が中心となって設立された。BCリーグは07年に発足した。いずれも、不景気で社会人野球チームの廃部が相次ぐ中、プロ(NPBや大リーグ)を目指す若者が野球を続ける場の提供が目的だった。
リーグ戦を続けるうちに世間の認知度が上がり、近年では、毎年数人の選手がNPBのドラフト会議で指名されている。例えば、四国ILの高知からロッテに入団し、12年にパ・リーグ首位打者となった角中勝也など、プロで活躍する選手も出てきた。
四国ILやBCリーグなどは情報共有化のため、10年に「独立リーグ連絡協議会」を設置。両リーグは更に14年、独立リーグにおける、国内外の野球関係団体との正式な窓口を目指して「日本独立リーグ野球機構」(IPBL Japan)を設立した。
元々は若い選手の育成の場として生まれたが、現在では、元プロやベテラン選手の再挑戦の場ともなっている。15年には、阪神で活躍し、大リーグでもプレーした投手、藤川球児が四国ILの高知に入団。BCリーグでも、大リーグの元首位打者でロッテの元選手、フリオ・フランコが56歳で石川に選手兼監督として加入。ヤクルトや楽天、大リーグでプレーした岩村明憲が、同じく選手兼監督として福島に入った。近鉄などで活躍し、4度の本塁打王を獲得したタフィ・ローズが46歳で富山入りするなどの動きがあり、注目を集めている。
両リーグは、外国人選手を積極的に採用し、海外との交流も進めている。13年、アメリカで初開催したトライアウト(有望な人材を発掘する場)には、100人以上の外国人選手が参加した。15年6月には、四国ILの選抜チームが初の北米遠征として、アメリカ、カナダの独立リーグ「Can-Am(キャンナム)リーグ」に所属する6球団と戦った。
これまでに挙げたリーグ以外に、過去にも様々なリーグの設立、設立準備の動きがあったが、資金難や人材不足などを理由に休止、頓挫している。例えば、09年にスタートした「関西独立リーグ」は、運営が立ち行かなくなり、13年のシーズン終了後に所属チームが全て脱退した。
一般的に、独立リーグの球団には、選手や監督、コーチら30人前後が所属。リーグ戦中は選手らに給料が支給され、オフは仕事をしたり、海外のリーグに参加したりする。しかし、BFLのように、選手は無給でプレーし、アルバイトで生活費をまかなっている例もある。

(南 文枝 ライター/2015年)

独立リーグ

2005年、日本プロ野球機構とは別の機構運営になる四国アイランドリーグが発足、08年からは長崎、福岡が加入して四国・九州アイランドリーグに発展した。また、07年には群馬、新潟、長野、富山、石川、福井の上信越・北陸6県で構成されたベースボール・チャレンジ・リーグ(BCL)が旗揚げされ、09年には関西独立リーグが和歌山、大阪、神戸、明石を本拠地にする4球団によってスタートすることになっている。また、08年のドラフト会議では四国・九州アイランドリーグから2名が指名されている。なお、08年の関西独立リーグのドラフトで、神戸9クルーズが神奈川県立川崎北高校2年の吉田えり投手(16)を7位で指名。契約すれば男性チームでプレーする初めての女性プロ野球選手となる。

(武田薫 スポーツライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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