精選版 日本国語大辞典 「猪」の意味・読み・例文・類語
い‐の‐しし ゐ‥【猪】
〘名〙
① (「猪(い)の獣(しし)」の意) イノシシ科の哺乳類。体長一~一・五メートル。ブタの原種で口先が長く、犬歯は強大で口の外へ突き出てきばとなる。体毛は黒褐色。ヨーロッパ、アジア、北アフリカに広く分布し、日本では北海道を除く各地に生息する。山地の森林にすみ、夜出て植物の根やミミズを掘り出して食べるほか、ヘビ、カエルなどを捕食する。子は体に縦すじがあり「うりぼう」と呼ばれる。肉は古くから山鯨(やまくじら)と呼ばれて賞味され、一般に猪鍋(ししなべ)にして食べる。しし。い。いのこ。やちょ。《季・秋》
※書紀(720)崇峻五年一〇月(図書寮本訓)「山猪(ヰノシシ)を献ること有り」
※雑俳・柳多留‐四六(1808)「猪のししのねがえりにちる萩の露」
② (①の、走ると容易に曲がれないほど突っ走る性質から) あまり熟慮しないで、あるいはやたらにものごとに突進して後退しない行動をとる者のたとえ。
い ゐ【猪】
〘名〙 イノシシ、ブタの総称。特にイノシシ。
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