猶予(読み)いざよう

精選版 日本国語大辞典 「猶予」の意味・読み・例文・類語

いざよ・う いざよふ【猶予】

〘自ハ四〙 (古くは「いさよう」。「いさ」は感動詞「いさ」と同根)
① 進もうとして進めないでいる。躊躇(ちゅうちょ)する。ためらう。
古事記(712)中・歌謡「海が行けば 腰泥(こしなづ)む 大河原の 殖草(うゑぐさ) 海がは 伊佐用布(イサヨフ)
万葉(8C後)三・三七二「雲居なす 心射左欲比(イサヨヒ) その鳥の 片恋のみに」
② 進まないでとまりがちになる。停滞する。とどこおる。
※万葉(8C後)三・二六四「もののふの八十氏河の網代木に不知代経(いさよふ)浪の行く方知らずも」

ゆ‐よ【猶予】

〘名〙 「ゆうよ(猶予)」の変化した語。〔名語記(1275)〕
読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺「時今播乱の際(あはひ)に逼て、士民おのおの鼬預(ユヨ)狐疑す」

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デジタル大辞泉 「猶予」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐よ〔イウ‐〕【猶予】

[名](スル)
ぐずぐず引き延ばして、決定実行しないこと。「もはや一刻猶予も許されない」「猶予している場合ではない」
実行の日時を延ばすこと。「返済を一か月間猶予する」「執行猶予
[類語](1躊躇逡巡ためらい遅疑二の足を踏む据え置き保留留保棚上げ棚に上げるペンディング後回し二の次お預け/(2延期日延べ順延延長延引遷延先送り先延ばし繰り延べる繰り下げる引き延ばす持ち越す時を稼ぐ延び延び遅延延びる延滞遅滞引き延ばし繰り延べ

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普及版 字通 「猶予」の読み・字形・画数・意味

【猶予】ゆう(いう)よ

ためらう。〔楚辞離騒〕心、豫して疑す 自ら(ゆ)かんと欲するも、不可なり

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