玄清(読み)げんせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「玄清」の意味・わかりやすい解説

玄清
げんせい

[生]天平神護2(766).太宰府
[没]弘仁14(823)
琵琶法師天台宗玄清法院流あるいは玄清部ともいわれる九州筑前の盲僧琵琶開祖。幼名乙丸。父は橘左近尉光政。7歳で伯父知山より受戒して天台宗の僧侶となったが,17歳で失明盲僧となって筑前三笠郡にあったが,延暦4 (785) 年比叡山延暦寺根本中堂建立に際し,地鎮の法を行うのに参加,その功によって成就院の号を受け,『般若心経』と荒神祓の法を授けられ,帰国して同8年四王寺北谷に成就院を建立。筑紫九ヵ国の盲僧の長となった。大同3 (808) 年に成就院を天台宗叡山末流盲僧本寺とする許しを受け,法眼の位と『地神陀羅尼経』を賜わり,弘仁8 (817) 年には法印の位に進んだ。同 14年 10月,58歳で没したが,これより九州筑前盲僧の琵琶の弾奏誦経の伝承が始められたという。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「玄清」の解説

玄清 げんせい

1443-1521 室町-戦国時代の僧,連歌師。
嘉吉(かきつ)3年生まれ。武士であったが40歳前に出家飯尾宗祇(そうぎ)の門弟で,文明14年の「薄何百韻」などの連歌に参加。「新撰菟玖波(つくば)集」に7句ある。三条西実隆,近衛尚通(ひさみち)らに古典をまなぶ。大永(たいえい)元年11月13日死去。79歳。俗名肥田(一説に河田)兵庫助春仲。別号に帰牧庵。

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