(読み)ひきいる

精選版 日本国語大辞典 「率」の意味・読み・例文・類語

ひき‐・いる ‥ゐる【率】

〘他ワ上一〙 (「引き率(い)る」の意)
① 引き連れて行く。従えて行く。伴う。
書紀(720)神代上(兼夏本訓)「素戔嗚尊、其の子、五十猛(いそたける)の神を帥(ヒキヰ)新羅(しらき)の国に降到りまして」
行動進退を指図する。統率する。指揮する。
※書紀(720)神代下(鴨脚本訓)「八十万神を領(ヒキヰ)、永に、皇孫の為に護り奉れ」
※観智院本三宝絵(984)中「いくさをひきゐて守屋大臣もとによる」

そっ‐・す【率】

[1] 〘他サ変〙 引き連れて行く。従えて行く。率いる。
今昔(1120頃か)二五「隙(ひま)を伺て多の兵(つはもの)を卒して責来る」
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)五「軍兵卒(ソッ)し是へ是へと団(うちわ)を上れば」
[2] 〘自サ変〙 一緒になる。まとまる。
※玉塵抄(1563)九「かりをし大酒いんらんを本にして、民ををさむることをせぬほどに国がそっしてをいだいたぞ」

あども・う あどもふ【率】

〘他ハ四〙 ひきつれる。ともなう。
※万葉(8C後)二・一九九「大御身に 大刀取り帯かし 大御手に 弓取り持たし 御軍士(いくさ)を 安騰毛比(アドモヒ)給ひ」
[補注]声を掛け合って、調子、隊伍などを整える意とする説もある。

りつ【率】

〘名〙 割合歩合比率。また、確率度合可能性。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉一六「負傷の率は身体の疲労程度及び活動力の鋭鈍に依て異るもので」 〔南史‐王僧孺伝〕

ひき・ゆ【率】

〘他ヤ上二〙 一段活用の「ひきいる(率)」を「老ゆ」「報ゆ」などの活用に類推して二段化させたもの。
※元和本下学集(1617)「帥師 イクサヲヒキユ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「率」の意味・読み・例文・類語

そつ【率】[漢字項目]

[音]ソツ(漢) リツ(漢) [訓]ひきいる
学習漢字]5年
〈ソツ〉
全体をまとめてひきいる。「率先引率統率
したがう。「率土そっと・率由」
あるがまま。「率直真率
急なさま。にわかに。「率爾そつじ軽率
〈リツ〉全体に対する部分の割合。「確率高率勝率税率能率倍率比率利率百分率
[名のり]のり・より

りつ【率】

割合。比率。歩合ぶあい。「成功するの高い実験」「正解
かけた手間や時間に対する効果の程度。「の悪い仕事」
[類語]比率わり歩合割合倍率定率同率低率高率レートパーセンテージ

りつ【率】[漢字項目]

そつ

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