…それは2人づれ,あるいは数人づれで,戸別訪問をして,その家の繁栄を願う予祝を述べ,音楽と踊りを見せる。そういう戸別訪問の芸が,おおぜいの客を前にして行う掛合いの芸に変わって流行するのは,明治も末近くになってからのことで,玉子屋円辰(たまごやえんたつ)(1864‐1944)が大阪の天満天神のわきの常打小屋にかけたのが始めである。円辰は祭り好きの卵売りで,村の盆踊で櫓に登って音頭取りをし,合間に即興のこっけいなせりふを入れることでヒントを得,新しい掛合い芸をつくる。…
※「玉子屋円辰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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