玉石里遺跡(読み)ぎょくせきりいせき(英語表記)Oksongni

改訂新版 世界大百科事典 「玉石里遺跡」の意味・わかりやすい解説

玉石里遺跡 (ぎょくせきりいせき)
Oksongni

大韓民国京畿道坡州郡月籠面玉石里にあって,西海岸の中部地方における無文土器(青銅器)時代の代表的遺跡。遺跡は,標高約82mから100mを超える最高所まで,比較的高い丘陵上に立地する。二十数基の支石墓が知られ,このうち6基が,1965年に発掘調査された。支石墓は,テーブル形で,地上に支石を箱形に組み合わせ,その上を巨石で覆う。副葬品として,蛤刃(はまぐりば)・扁平片刃の石斧,石庖丁砥石などを出土した。支石墓群のうち,BI号支石墓の下部からは火災で焼失した竪穴式住居跡が検出された。住居跡は,東西の長さ15.7m,南北の幅3.7mの平面長方形を呈し,朝鮮半島では最大規模である。底面には,周壁に沿って小さい柱穴が無数に並ぶ。また,ほぼ中軸線上で東寄りに偏在して,炉跡が2ヵ所認められた。住居跡内部からは,口縁下に有孔列点文をめぐらす無文土器や有樋有柄式の磨製石剣,有茎・無茎の磨製石鏃,すり臼,紡錘車などが出土した。竪穴式住居跡出土の木炭の炭素14法による年代測定では,2590±105年B.P.。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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