玉縁(読み)たまぶち

精選版 日本国語大辞典 「玉縁」の意味・読み・例文・類語

たま‐ぶち【玉縁】

〘名〙
① 物の周縁を飾る縁(ふち)
古事談(1212‐15頃)五「玉ぶちの小玉等皆放光云々」
※俳諧・桜川(1674)秋一「玉ふちのうちぞゆかしきをどり笠〈友我〉」
和船の上棚上部を保護する荷くさびをとめるための細い角材。四五(しご)
④ 槍(やり)口金の下留(したどめ)、逆輪(さかわ)の下につけた金具
⑤ 建築で、竹の節(ふし)のたすきの上下にある横木。〔紙上蜃気(1758)〕
⑥ 洋式建築で、小さな円形のくりがたの一種。
裁縫で、布の裁ち目に別の布をつけて、細くふちどること。パイピング

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デジタル大辞泉 「玉縁」の意味・読み・例文・類語

たま‐ぶち【玉縁】

美しい縁。また、きれいに縁どりしたもの。
布の裁ち目に別布をつけて細く縁どったもの。縫いしろの始末やボタンホールなどに用いる。パイピング。

㋐西洋建築で、建物の隅に取り付ける、断面半円形り形。
㋑竹の節欄間で、上下にある横木。
建仁寺垣袖垣の、割り竹や萩の幹の束で作った縁。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「玉縁」の意味・わかりやすい解説

玉縁
たまぶち

パイピング pipingともいう。裁断した布端を布テープでくるむ方法一つ裏表とも体裁よく仕上げるため,ほつれ止めと装飾を兼ねる。裏なしの衣服の裾,縫い代の始末,ポケット口やボタン穴などに応用される。

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