王光墓(読み)おうこうぼ(英語表記)Wanggwang-myo

改訂新版 世界大百科事典 「王光墓」の意味・わかりやすい解説

王光墓 (おうこうぼ)
Wanggwang-myo

朝鮮民主主義人民共和国平壌特別市楽浪区域貞柏洞にある墳墓墳丘は土饅頭状を示し,角ばった卵形をなした平面は,東西約18m,南北約27m,高さは約3.3~4.5mで,楽浪木槨墓のなかでは,規模が大きい。深さ2mほどの長方形の土壙に木槨を組み,槨室には間仕切り支柱などを設けて,4室の区画をつくっている。南東のもっとも広い内槨には,二つの木棺を東西に並列して安置し,その北西側を鉤の手にめぐる他の狭小な各室には,所狭しと多量の副葬品を納め,その後,角材を架構して天井とし,その上をさらに2枚重ねの塼で葺き,最後に封土を盛る。180点余りの出土遺物は,棺内出土の冠帽・指輪などの装身具,北室の陶器・漆器などの食器,西室の衣匣(いこう)・鏡奩きようれん)などの調度品のほか,車馬具,武器等多岐にわたる。西棺内から出土した木印の銘などから,楽浪大守掾王光夫妻の墳墓であることがわかり,王光墓と命名された。前漢末ないし後漢初めの営造と推定される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「王光墓」の意味・わかりやすい解説

王光墓
おうこうぼ

楽浪漢墓」のページをご覧ください。

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