王坦之(読み)おうたんし

世界大百科事典(旧版)内の王坦之の言及

【玄学】より

…とくに王弼は,聖人を〈無〉を体得しながら,しかも喜怒哀楽の情によって万物に感応するものと考えたが,これは東晋の孫綽(そんしやく)の〈喩道論〉が,仏は道を体得しながらしかも衆生に感応して教え導くもの,と説くことにそのまま通じ,玄学的理解は,儒家と道家の一致だけではなく,儒仏道三教一致論の理論的基礎をも用意したといえる。何晏や王弼の学風は,かれらが正始時代(240‐248)に活躍したところから〈正始の音〉とか〈正始の風〉とかよばれて後世の清談家たちから慕われたが,その一方,西晋の裴頠(はいき)の〈崇有論〉や東晋の王坦之の〈廃荘論〉はかれらの哲学的立場を批判し,また東晋の范寧(はんねい)の〈王弼何晏論〉は,仁義礼楽の破壊者として2人の罪をそしった。何晏や王弼にややおくれてあらわれた竹林の七賢(七賢人)の巨頭である阮籍(げんせき)は《通易論》《通老論》《達荘論》等を,おなじく嵆康(けいこう)は《釈私論》《声無哀楽論》等を著して,老荘的自然の立場から儒家的名教をするどく批判した。…

※「王坦之」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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