王子喬（読み）おうしきょう（英語表記）Wáng Zǐ qiáo

精選版 日本国語大辞典

おう‐しきょう ワウシケウ【王子喬】

中国、周代の仙人。名は晉。霊王の太子といわれる。道士浮丘公に従って嵩高山に上り、仙道を修得。白い鶴に乗り、笙(しょう)を吹きながら空中を飛翔(ひしょう)したという。

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

おう‐しきょう〔ワウシケウ〕【王子喬】

中国、周代の仙人。霊王の太子といわれる。名は晋。白い鶴にまたがり、笙しょうを吹いて雲中を飛んだという。

出典　小学館

改訂新版　世界大百科事典

王子喬 (おうしきょう)
Wáng Zǐ qiáo

中国古代の仙人。後漢の蔡邕（さいよう）の〈王子喬碑文〉はいつの時代の人かわからぬという。《列仙伝》は，《国語》や《逸周書》に賢者として見える太子晋に結びつけ，周の霊王の太子の姫晋であるとする。笙の笛を吹くことを好み，鳳凰の鳴声を模することができた。道士の浮丘公に会い，つれられて嵩高山（すうこうざん）に入って仙人となった。魏晋南北朝時代以来，赤松子とならんで古代の仙人の代表とされ，詩文や絵画に登場することが多い。王子喬が升仙の後，白鶴に乗って出現し人々に挨拶したとされる偃師（えんし）の緱氏山（こうしざん）には彼の廟があり，唐の則天武后がそれを修復して建てた〈升仙太子碑〉は，飛白書という特殊な書体で書かれたものとして有名。
執筆者：小南 一郎

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」