王庭筠(読み)おうていいん(英語表記)Wáng Tíng yún

改訂新版 世界大百科事典 「王庭筠」の意味・わかりやすい解説

王庭筠 (おうていいん)
Wáng Tíng yún
生没年:1151-1202

中国,金代の文人。字は子端,号は黄華山人。遼東(遼寧省蓋県)の人。翰林修撰に至った。詩文書画に通じ,書法は米芾(べいふつ)に学んで金代第一と称される。また山水墨竹をよくした。行草書による自跋をともなう《幽竹枯槎図巻》(藤井有鄰館)は書画一致を標榜する〈文人画〉の現存作品のうちでもっとも早い時期に属するものの一つである。詩文における元好問とともに,金一代の文化の頂点を形づくる存在である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「王庭筠」の意味・わかりやすい解説

王庭筠
おうていいん
Wang Ting-yun

[生]貞元3(1155)
[没]泰和2(1202)
中国,金の文人。熊岳 (遼寧省盖平) の人。字,子端。号,黄華山人。大定 16 (1176) 年の進士。恩州軍事判官から累進して翰林修撰となった。詩人として想像力に富んだ七言長編を得意としたほか,書画にも巧みで,文集 40巻などの著書がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android