王舎城(読み)おうしゃじょう(英語表記)Rājagṛha

精選版 日本国語大辞典 「王舎城」の意味・読み・例文・類語

おうしゃじょう ワウシャジャウ【王舎城】

(Rājagṛha の訳語) 古代インド、マガダ王国の首都ラージャグリハ漢名般若経法華経などにその名がみえ、釈迦入滅後、ここで最初仏典編集が行なわれた。現在のインド北東部、ビハール州のラージュギルにあたり、初期の仏教遺跡が残る。

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デジタル大辞泉 「王舎城」の意味・読み・例文・類語

おうしゃじょう〔ワウシヤジヤウ〕【王舎城】

《〈梵〉Rājagṛhaの訳》古代インド、マガダ国の都ラージャグリハの漢名。現在のビハール州の州都パトナ南方のラジギールはその旧址きゅうしで、付近霊鷲山りょうじゅせん竹林精舎などの遺跡がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「王舎城」の意味・わかりやすい解説

王舎城
おうしゃじょう
Rājagṛha

ラージャグリハ。古代インド,マガダ国の首都。現在のビハール州南部のラージギルはこの旧跡釈尊に非常に関係のある都城で,王舎城の東にある霊鷲山 (りょうじゅせん) や,郊外の竹林精舎は,釈尊が長く住んで国王供養を受け,民衆の教化を行なったので知られている。経典中に知られる頻婆娑羅 (びんばしゃら) 王や阿闍世 (あじゃせ) 王,韋提希 (いだいけ) 夫人の住んだ都。

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旺文社世界史事典 三訂版 「王舎城」の解説

王舎城
おうしゃじょう

古代インドのマガダ国の首都ラージャグリハの漢訳名
現在のビハール州パトナ県ラージュギル。新旧の城の遺跡があり,旧城は前7世紀のもので,中インド最古の城跡新城は前6世紀後半のビンビサラ王以後のもので,当時釈迦 (しやか) がこの付近でよく説法したため,その遺跡が多い。『大唐西域記』は,多くの仏跡が保存されていると伝えている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「王舎城」の意味・わかりやすい解説

王舎城
おうしゃじょう

ラージャグリハ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「王舎城」の解説

王舎城(おうしゃじょう)

ラージャグリハ

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世界大百科事典(旧版)内の王舎城の言及

【温泉】より

…【大木 靖衛】
【伝承と利用】
 温泉には,歴史的に聖水―聖泉信仰と心身にかんする治療信仰が結びつき,そこからさまざまな伝説や伝承が生みだされた。 第1にインドの事例をあげると,ラージャグリハ(王舎城)には釈迦も入浴したと伝える温泉が現存しているが,入浴者はかならず下着をつけて湯につかり,セッケンなどを用いて身体を洗浄してはいけないしきたりになっている。温泉は心を清浄にするところであって肉体を清めるところではないとされているからである。…

【釈迦】より

…比丘(男の出家者)のほかに,比丘尼(女の出家者),優婆塞(うばそく)・優婆夷(うばい)(男女の在家信者)もできた。釈迦はガンガー(ガンジス川)中・下流域の平原,なかんずくマガダ国のラージャグリハ(王舎城)とコーサラ国のシュラーバスティー(舎衛城)で活動した。前者には国王ビンビサーラの寄進した竹林精舎が,後者にはアナータピンダダAnāthapiṇḍada(給孤独(ぎつこどく))長者の寄進した祇園精舎があった。…

【ラージャグリハ】より

…古代インド,マガダ国の首都で,漢訳仏典には王舎城と記される。現在のビハール州の中央部に位置するラージギルRājgirにあたる。…

※「王舎城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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