玖島城(読み)くしまじょう

日本の城がわかる事典 「玖島城」の解説

くしまじょう【玖島城】

長崎県大村市玖島の大村湾に突き出した半島に築城された平山城(ひらやまじろ)。藤原純友(すみとも)を祖とする大村氏は鎌倉時代からこの地を地頭として領有し、1587年(天正15)、時の領主であった大村喜前(よしあき)は豊臣秀吉九州征伐の際に秀吉軍に参陣し領土を安堵され、秀吉の圧力によってキリシタン大名から改宗。1598年(慶長3)の秀吉死後、政情不安に備えて玖島城の築城に着手し、翌1599年(慶長4)、三城城から居城を移した。江戸幕府開府後もこの城を領有し、大村藩(2万7000石)として明治維新まで存続したが、1871年(明治4)に廃城となり建造物は破却、1884年(明治17)に本丸跡に大村氏歴代を祀(まつ)る大村神社が建立された。JR大村線大村駅から徒歩10分。大村バスターミナルから諫早(いさはや)方面行きバス7分で大村公園入口下車、すぐ。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の玖島城の言及

【大村[市]】より

…鎌倉時代から大村氏が支配し,江戸時代は大村藩の城下町として栄えた。藩主の居城玖島(くしま)城は文禄・慶長の役後,湾に突き出た多良岳のすそ野につくられた。明治以後は歩兵46連隊,海軍航空隊などがおかれて軍都として栄え,現在も陸上ならびに海上自衛隊が駐屯している。…

※「玖島城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android