琴操(読み)きんそう(英語表記)Qín cāo

改訂新版 世界大百科事典 「琴操」の意味・わかりやすい解説

琴操 (きんそう)
Qín cāo

中国の琴書。後漢蔡邕(さいよう)(字伯喈,132-192)著。1巻(2巻に分けた板本もある)。古代の琴曲と作者を解説したもの。50曲の収録曲目は,歌詩五曲,十二操,九引,河間雑歌に分け,失われた4曲を除きすべて解題がほどこされている。作曲年代は太古にさかのぼるものもあるが,主として春秋戦国時代の作と伝えられるものが多く,孔子伯牙の作も収められている。音楽的内容は不明。《鹿鳴》《将帰操》《拘幽操》などは明代以後の琴譜に同名曲が収録される。漢代の故事を扱った《聶政(じようせい)刺韓王曲》は,後の大曲広陵散》の母体となったと考えられる。《琴操》は《漢魏遺書鈔》《抱経堂叢書》《読書斉叢書》《漢学叢書》《昌平叢書》などのほか,《琴学叢書》のうち《琴粋》に再録されており,日本でも1832年(天保3)に刊行された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「琴操」の読み・字形・画数・意味

【琴操】きんそう

琴曲。

字通「琴」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android