環境協力(読み)かんきょうきょうりょく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「環境協力」の意味・わかりやすい解説

環境協力
かんきょうきょうりょく

環境保全のための施策や事業に対する経済協力。環境保全と経済協力の関係が強調されるのは,(1) 国境を越えた地球環境問題への取り組みの一環,(2) 途上国における環境保全事業への協力,(3) 経済協力におけるプロジェクト選定や内容にかかわる環境への配慮などである。発展途上国においても,環境問題は深刻化しており,またこの課題には国境を越えた広がりもある。工業化や都市化に伴う公害問題,熱帯雨林の大幅減少,砂漠化,野生生物種の減少などの問題は,いまや主に途上国で発生しているが,人口増加圧力により貧困からの脱出が至上命題となっているため,途上国の力だけでは十分な対応ができず,さらなる環境破壊が発生しやすい。いわゆる貧困,人口増加,環境破壊の悪循環である。しかし,途上国の持続的な開発には,環境保全が重要という考え方が定着し始め,そのためには二国間の協力や地球的取り組みを通じて,先進国も積極的に種々の協力をするという方向になってきている。日本も国際的取り組みへの積極的参加,援助実施の際の環境配慮,環境分野 (居住環境,森林公害対策,自然環境,防災など) への協力を拡充している。

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