環鎖互変異性(読み)カンサゴヘンイセイ

化学辞典 第2版 「環鎖互変異性」の解説

環鎖互変異性
カンサゴヘンイセイ
ring-chain tautomerism

環状構造と鎖状構造が互変異性関係にある化合物にみられる現象.代表例は図にみられる還元糖(アルドースおよびケトース)のように,鎖状構造とα-およびβ-ピラノースの環状構造が互変異性であり,環状のα-およびβ-構造は直鎖構造を経由して互変している.糖の場合には,アルデヒドヒドロキシ基とから形成されるヘミアセタール環が五員環であるフラノース環構造も形成が可能で複雑である.異性の分類上,骨核異性で官能基異性でもある互変異性であり,分子内のカルボニル基活性水素をもつアミノ基カルボキシル基との間でも成立する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android