精選版 日本国語大辞典 「瓢箪」の意味・読み・例文・類語
ひょう‐たん ヘウ‥【瓢箪】
〘名〙 (「瓢」はひさご。「箪」は竹で編んだ目の細かいかご、すなわち、筺(かたみ))
① ひさごとかたみ。酒などを入れるひさごと、飯を盛るかたみ。
※和漢朗詠(1018頃)下「瓢箪しばしば空し、草顔淵が巷に滋し〈橘直幹〉」 〔曹植‐大司馬曹休誄〕
② ウリ科のつる性一年草。ユウガオとは同種で、変種として区別される。全体に毛を密布する。茎は二またに分岐する巻ひげをもち他物にからむ。葉は互生して長柄をもち円状心臓形でしばしば掌状に浅く裂ける。雌雄同株。夏、葉腋に長い花柄を出しユウガオに似た白い漏斗状花をつける。果実は液果で長く、中央部がくびれ、上と下は大きさが異なる。成熟したものは果皮がきわめて堅くなり、容器や装飾品に用いられる。漢名、葫蘆・蒲蘆。ひさご。ふくべ。《季・秋》
▼ひょうたんの花 《季・夏》 〔元和本下学集(1617)〕
③ ②の成熟した果実の種子を取り去って乾燥したもの。酒などを入れる容器などとして用いる。ひさご。ふくべ。〔撮壌集(1454)〕
※雑俳・さざれ石(1730)「瓢箪の重たい内は苦にならず」
④ ②の果実に似た形をしたもの。
※実隆公記‐大永六年(1526)三月一九日「上臈局瓢箪〈青茶垸瓶子也〉土器物三種被送レ之、及レ晩光臨」
⑤ (「…もひょうたんも」「…のひょうたんの」などの形で) 漠然とある物事をさしていう語。
※洒落本・公大無多言(1781)「見へもひゃうたんもいらねヱ」
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