甘木(読み)あまぎ

精選版 日本国語大辞典 「甘木」の意味・読み・例文・類語

あまぎ【甘木】

福岡県中南部の地名。甘木安長の建立した甘木山安長寺にちなんで呼ばれた。江戸時代豊後街道宿場町市場町として発達。昭和二九年(一九五四市制

あま‐き【甘木】

〘名〙 植物かんぞう(甘草)」の古名。〔本草和名(918頃)〕

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デジタル大辞泉 「甘木」の意味・読み・例文・類語

あまぎ【甘木】

福岡県中部にあった市。甘木氏の寄進による安長寺の門前町に始まり、のち宿場町・市場町として栄えた。平成18年(2006)3月、杷木はき町・朝倉町と合併して朝倉市となる。→朝倉

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「甘木」の意味・わかりやすい解説

甘木
あまぎ

福岡県中部にあった旧市名(甘木市)。現在は朝倉(あさくら)市の北部・西部・中央部を占める。旧甘木市は1954年(昭和29)甘木、秋月(あきづき)の2町を中心に、上秋月、安川(やすかわ)、馬田(まだ)、蜷城(になしろ)、立石(たていし)、福田、三奈木(みなぎ)、金川(かながわ)の8村が合併して市制施行。1955年高木村を編入。2006年(平成18)朝倉郡朝倉町、杷木(はき)町と合併し朝倉市となった。旧甘木市域の北部は古処山(こしょざん)(860メートル)を中心とする三郡山地(さんぐんさんち)の南部山地が展開、南部は小石原(こいしわら)、佐田両河川の扇状地と、それに続く筑後(ちくご)川右岸の沖積平野が広がる。甘木鉄道、西日本鉄道甘木線が、中心集落である甘木に通じ、国道386号と322号が交差する交通上の要地である。大分自動車道甘木インターチェンジがある。小石原川沿いに国道500号が走る。中心部の甘木は、甘木山安長寺(あんちょうじ)の門前町として生まれ、江戸時代には日田(ひた)街道(豊後(ぶんご)街道)の宿場町、九斎市(きゅうさいいち)の市場町として栄え、明治以降も朝倉郡の中心であった。北部の秋月は、福岡藩の支藩が置かれた城下町である。産業は稲作を中心とした農業が盛んで、野菜(ネギキャベツなど)作や、果樹(ブドウ、ナシなど)栽培のほか、酪農、苗木生産も行われている。近年は繊維、染色、木工家具工業のほか、ビール工場やゴム工場の進出もみられ、内陸工業化が進行している。特別天然記念物のツゲ原始林で有名な古処山をはじめ、サクラとツツジの名所甘木公園、秋月城跡と町並み(1998年に重要伝統的建造物群保存地区に選定)、安長寺、江川(えがわ)ダムなど観光要素が多い。2001年には国指定史跡平塚川添遺跡(ひらづかかわぞえいせき)の史跡公園が開園した。

[石黒正紀]

『『甘木市史』全2冊(1981、1982・甘木市)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「甘木」の意味・わかりやすい解説

甘木
あまぎ

福岡県中部,朝倉市北部の旧市域。三郡山地の南麓,筑紫平野の北東部に位置する。筑後川のほか,支流の小石原川,佐田川が流れる。 1954年甘木町,秋月町の2町と安川村,上秋月村,立石村,福田村,馬田村,蜷城村,三奈木村,金川村の8村が合体して市制施行。 1955年高木村を編入。 2006年杷木町,朝倉町と合体して朝倉市となる。中心市街地の甘木は,古くから小石原川の谷口の市場町,安長寺の門前町,福岡と日田,大分を結ぶ日田街道沿いの宿場町として発達。明治に入り一時衰退したが,地方商業町として存続している。ビール醸造,化学,木工,染色などの工場が立地する。農村部では米作のほか,ナシ,ブドウ,植木などの栽培が,また山地では林業が行なわれる。小田茶臼塚古墳,平塚川添遺跡 (ともに国の史跡) ,古処山のツゲ原始林 (国の特別天然記念物) とカルスト地形,江川ダムなどの名所旧跡がある。特に秋月は福岡藩の支藩である秋月藩の旧城下町。秋月城跡や黒田屋敷など町並みに武家屋敷町の雰囲気を残し,国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。丸山公園はサクラの名所,山地の紅葉も美しい。一部は筑後川県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「甘木」の意味・わかりやすい解説

甘木 (あまぎ)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「甘木」の解説

甘木 (アマキ)

植物。サガリバナ科の常緑高木。サガリバナの別称

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世界大百科事典(旧版)内の甘木の言及

【秋月】より

…1893年町制。1954年甘木町などと合体し,甘木市となった。【野口 喜久雄】。…

※「甘木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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