甘酸(読み)カンサン

デジタル大辞泉 「甘酸」の意味・読み・例文・類語

かん‐さん【甘酸】

あまい味と、すっぱい味。
楽しみと苦しみ。苦楽。「人生甘酸をなめる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「甘酸」の意味・読み・例文・類語

かん‐さん【甘酸】

〘名〙 (形動)
① 甘い味と酸っぱい味。甘酸っぱい味。また、甘かったり、酸っぱかったりするさま。
太平記(14C後)三三「甘酸(カンサン)苦辛(くしん)の菓子共、色々様々居(すゑ)(なら)べたり」 〔郭璞‐西山経図賛・丹木〕
② (転じて) 楽しいことと、苦しいこと。人生のいろいろな経験甘苦。苦楽。
※改正増補和英語林集成(1886)「Kansan(カンサン)ヲ ナメル」

あま‐ずっぱ・い【甘酸】

〘形口〙
甘みとすっぱみとがまじった味やにおいである。あまずい。
※黴(1911)〈徳田秋声〉五二「お産の時のあの甘酸っぱいやうな血腥いやうな臭気(にほひ)が、時々鼻を衝(つ)いて来るやうに思へてならなかった」
② うっとりと快い気持と、感傷的な気持が入りまじって、やるせない感じである。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴水神志村の胸は、甘酸っぱく締めつけられた」

あま‐ず・い【甘酸】

日葡辞書(1603‐04)「Amazui(アマズイ)
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「沈丁花甘酢(アマズ)い香(にほひ)

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