生出(読み)セイシュツ

デジタル大辞泉 「生出」の意味・読み・例文・類語

せい‐しゅつ【生出】

[名](スル)生まれ出ること。また、生み出すこと。
「世の民権家の為に不利益なる結果を―したでは無いか」〈鉄腸雪中梅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「生出」の意味・読み・例文・類語

いき‐い・ず ‥いづ【生出】

〘自ダ下二〙
① (死んだと思われたものが)生きかえる。息を吹きかえす。
※竹取(9C末‐10C初)「御目白眼(しらめ)にてふし給へり。人々水をすくひ入れ奉る。からうじていき出給へるに」
② 人ごこちがつく。夢中であった気持が、われにかえる。
源氏(1001‐14頃)玉鬘川尻といふ所に近づきぬといふにぞ、少しいき出る心地ぞする」
[補注]①は「息出づ」と解する説もある。

おい‐い・ず おひいづ【生出】

〘自ダ下二〙
① 人が生まれ出る。また、草や歯などが生え出る。
万葉(8C後)一一・二七七八「水底(みなそこ)に生ふる玉藻の生不(おひいでず)よしこのごろはかくて通はむ」
成長する。成育する。りっぱに育つ。
平中(965頃)三七「いとこどもぞ、〈略〉初めは、よろしとも見ざりけるを、いとよくおひいでにければ、かの男、心をつけて」

せい‐しゅつ【生出】

〘名〙
① 生まれ出ること。また、ある物事を生み出すこと。出生。しょうしゅつ。
※造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉二編「人身生出(セイシュツ)奇妙
※雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上「世の民権家の為めに不利益なる結果を生出(セイシュツ)した」 〔魏志‐武帝紀〕
② 生え出ること。また、生え出させること。成育。成長。

うまれ‐い・ず ‥いづ【生出】

〘自ダ下二〙
生物が生まれてこの世にあらわれる。出生する。
※万葉(8C後)五・九〇四「我が中の 産礼出(うまレいで)たる 白玉の 我が子古日(ふるひ)は」
② 制作物ができあがって世に出る。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎自序「この作の内容は何れ何かの形に於て早晩生れ出づべきものであった事は疑へない」

おい‐・でる おひ‥【生出】

〘自ダ下一〙 おひ・づ 〘自ダ下二〙 =おいいず(生出)
※文明本愚管抄(1220)三「北の野に、一夜松をひでてわたらせ給ひて」
※天草本伊曾保(1593)燕と、諸鳥の事「ヒヲ ヘテ シダイニ ナエニ voizzureba(ヲイヅレバ)

うまれ‐・でる【生出】

〘自ダ下一〙 うまれ・づ 〘自ダ下二〙
① 生まれて現われる。誕生する。
※梁塵秘抄(1179頃)二「摩耶の胎(なか)よりむまれでて、宝の蓮(はちす)足を受け」
② 世に現われる。

しょう‐しゅつ シャウ‥【生出】

〘名〙 うまれ出ること。また、うみ出すこと。せいしゅつ。
※地蔵菩薩霊験記(16C後)七「三世の諸仏生出(シャウシュツ)の慈母也群迷の哀出離」

はえ‐い・ず ‥いづ【生出】

〘自ダ下二〙 =はえでる(生出)
※御伽草子・唐糸草子(室町末)「小松六本、たたみのへりにねをさし、はへいでたるこそふしぎなれ」

はえ‐・でる【生出】

〘自ダ下一〙 はえて出る。発芽する。はえいず。
※俳諧・牛飼(1658)一「はえ出ぬは未生以前かほとけの坐〈路春〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「生出」の読み・字形・画数・意味

【生出】せいしゆつ

出生。

字通「生」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の生出の言及

【小坂[町]】より

…農業は稲作を中心にイチゴ栽培,肉牛の放牧も行われている。十和田湖南岸の生出(おいで)は通称和井内で,和井内貞行がヒメマスの孵化(ふか)事業に尽力した地である。【佐藤 裕治】。…

※「生出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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