田保橋潔(読み)たぼはしきよし

改訂新版 世界大百科事典 「田保橋潔」の意味・わかりやすい解説

田保橋潔 (たぼはしきよし)
生没年:1897-1945(明治30-昭和20)

歴史学者。北海道函館の生れ。1921年東京帝国大学国史学科を卒業,24年に京城帝国大学予科講師となる。ヨーロッパ留学ののち,27年に教授となり国史学を担当,主として近代日本の外交史を研究した。33年,朝鮮総督府朝鮮史編修会に嘱託され,《朝鮮史》第6編を編纂した。38年6月に同会主任となり,次期事業として韓国併合史の編纂と史料蒐集をすすめたが,内外情勢の急迫のため中断された。主著《近代日鮮関係史の研究》(1940)は膨大な史料を駆使した研究で,この分野の古典的文献とされている。他に《近代日支鮮関係の研究》(1930),《日清戦役外交史の研究》(1950),《朝鮮統治史論稿》(遺稿。日本では未刊)などがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田保橋潔」の解説

田保橋潔 たぼはし-きよし

1897-1945 大正-昭和時代前期の歴史学者。
明治30年10月14日生まれ。昭和3年京城帝大教授。8年から朝鮮総督府の朝鮮史編修会第6編修主任,ついで同会編纂(へんさん)主任をかねる。日本近代外交史,朝鮮近代史の実証的研究で知られる。昭和20年2月26日死去。49歳。北海道出身。東京帝大卒。著作に「近代日鮮関係の研究」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android