田原坂(熊本県)(読み)たばるざか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「田原坂(熊本県)」の意味・わかりやすい解説

田原坂(熊本県)
たばるざか

熊本県北部、熊本市北区植木町豊岡(うえきまちとよおか)の田原地区にある三池往還の坂道玉名平野に連なる木葉(このは)川流域の低地から、いわゆる肥後台地の西端に上る途中にある一の坂、二の坂、三の坂の総称侵食谷であるため、標高のわりには曲折した急崖(きゅうがい)が随所にみられ、西南戦争(1877)では、この地形的特徴から官軍・薩(さつ)軍入り乱れての白兵戦の舞台となった。激戦地跡は一部、田原坂公園として整備され、田原坂資料館、弾痕(だんこん)の家のほか、社会福祉会館、サイクリング・ハイキングロードなども設けられ、地域社会のカルチャーセンター的性格も担っている。付近にはミカン、イチゴ、スイカ、メロン、ブドウなど四季折々の果実を生かした観光農園の造成も目だつ。

[山口守人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android