甲論乙駁（読み）こうろんおつばく

精選版 日本国語大辞典

こうろん‐おつばく カフロン‥【甲論乙駁】

〘名〙 (甲が論じ乙が反対する意) 互いに論じ反駁し合って議論がまとまらないこと。

※亜非利加内地三十五日間空中旅行（1883‐84）〈井上勤訳〉二「常に喧嘩の絶る間なく甲論乙駁(カウロンオツハク)囂々擾々争論喧嘩の声に和して更に喧閙(さわがし)さを添るものあり」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

こうろん‐おつばく〔カフロン‐〕【甲論乙^×駁】

［名］(スル)甲が論じると乙がそれに反対するというように、たがいにあれこれと論じ合うばかりで、議論の決着がつかないこと。
[類語]物申す・抗議・反論・反駁・抗論・弁駁・論破・論駁・遣り込める・言い負かす・言いこめる・へこます・あらがう・逆ねじ・折伏しゃくぶく・丁丁発止・侃侃諤諤・囂囂・喧喧囂囂・喧喧諤諤・舌戦・議論・口論・論議・論戦・論争・争論・激論・談論風発・口角泡を飛ばす

出典　小学館

四字熟語を知る辞典

甲論乙駁

甲が論ずると乙が反はん駁ばくする意で、互いに自分の意見を主張して論じ合うこと。また、言い合いになって議論がまとまらないこと。

[活用] ―する。

[使用例] そして席が騒然となり、講師は壇上に立往生し、受講者は甲論乙駁する［伊藤整＊若い詩人の肖像｜1954～56］

[使用例] それから甲論乙駁となって三時間にわたり［藤枝静男＊愛国者たち｜1972］

出典　四字熟語を知る辞典