申報(読み)シンポウ(英語表記)Shēn bào

デジタル大辞泉 「申報」の意味・読み・例文・類語

しんぽう【申報】

1872年、英国人F=メージャーによって上海創刊された中国最初日刊紙。1912年から中国人の経営となった。1949年、人民解放軍に接収され、廃刊

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精選版 日本国語大辞典 「申報」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぽう【申報】

[1] 〘名〙 申し述べて知らせること。上司に報告し、伺いをたてること。また、その文書。〔音訓新聞字引(1876)〕
記念碑(1955)〈堀田善衛〉「やいのやいのという上からの催促で、毎日書く申報の種に困ったことも再三再四であった」 〔旧唐書‐憲宗紀上〕
[2] (「申」は上海の俗称) 一八七二年、上海でイギリスの茶商人F=メジャーによって発行された中国最初の商業新聞。一九一二年には中国人の史量才の経営に移り、中国第一の新聞となった。四九年、中国共産党軍に接収され、「解放日報」となり現在に至る。

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改訂新版 世界大百科事典 「申報」の意味・わかりやすい解説

申報 (しんぽう)
Shēn bào

1872年(同治11)4月にイギリス人メーヤー兄弟が上海で創刊した中国最初の商業新聞。1949年5月停刊。西洋事情の紹介,論説掲載の新機軸等により旧来の伝道的新聞に差をつけ,後発の《新聞報》(1893-1949)ともども中国の新聞界をリードした。最高時35年ごろの発行部数はともに15万。1912年に経営が中国人にうつり,社長に任じた史量才(1878-1934)は34年11月に抗日分子のかどで暗殺された。申報社が1884年(光緒10)に創刊した《点石斎画報》は画報の嚆矢(こうし)であり,《申報年鑑》の刊行等,同社が果たした役割は大きい。
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普及版 字通 「申報」の読み・字形・画数・意味

【申報】しんぽう(ぱう)

上司に報告する。〔旧唐書、憲宗紀上〕今より已後瑞は、但だ式に准(したが)つて司に申報せしめ、上聞することを得ざれ。

字通「申」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「申報」の意味・わかりやすい解説

申報
しんぽう / シェンパオ

近代中国の最有力日刊紙。1872年4月30日、上海(シャンハイ)でイギリスの茶商人メジャーFrederic Majorが創刊したが、1906年中国人の手に譲渡された。初期は政府の布告、役人の人事を掲載するだけだったが、しだいに内外の政治的・社会的事件も報道するようになった。1912年に史量才(1879―1934)が経営を引き受けてから30年代なかばまでが黄金時代で、発行部数14万~15万部、中国第1位の新聞だった。日本の中国侵略とともに抗日論調も激しくなり、1937年12月、日本軍の上海占領で停刊、38年漢口に移って発行を続けた。3月には香港(ホンコン)版を創刊、10月アメリカ人名義で上海版を復活したが、1949年5月、人民軍の上海解放後、ふたたび停刊した。

[春原昭彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「申報」の意味・わかりやすい解説

申報
しんぽう
Shen-bao; Shên-pao

中国,清末民国期の日刊紙。同治 11 (1872) 年,イギリス人 F.メージャーが上海で創刊。 1949年5月に廃刊された。創刊当初は,小型の隔日刊であったが,やがて日刊に改め,編集を刷新。 12年に申報館を史量才が買取り,完全な中国人経営となった。満州事変,上海事変ののち,抗日言論機関として国民党から圧迫を受け,また太平洋戦争勃発時には,日本軍により停刊を命じられたが,改組,復刊した。

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百科事典マイペディア 「申報」の意味・わかりやすい解説

申報【しんぽう】

1872年英国人F.メーヤーが上海で創刊,1906年から実質的に中国人の手で運営された近代中国の最初で最も歴史ある中国語新聞。後発の《新聞報》(1893年―1949年)とともに新聞界をリードした。抗日言論機関として弾圧を受け,1934年主宰者史量才は暗殺された。1941年日本軍により停刊。第2次大戦後復刊したが,1949年中共軍の上海接収で廃刊。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「申報」の解説

『申報』(しんぽう)

『新聞報』とともに中国の最も歴史のある日刊新聞。申は上海の別称。1872年イギリス人が発行,1912年中国人の経営に引き継がれた。日中戦争中に一時停刊したこともあるが,49年5月まで77年間続いた。

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