異型配偶子(読み)いけいはいぐうし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「異型配偶子」の意味・わかりやすい解説

異型配偶子
いけいはいぐうし

生物生殖において配偶子どうしが合体するとき、それらの形、大きさ、行動のうえで差がみられる場合、互いに異型配偶子であるという。同型配偶子対語。これら異型配偶子どうしの差は性の相違にあたり、典型的な例としては雄性精子雌性の卵があげられるが、藻類などには相対的な関係で決まるものもあり、それらの間にはさまざまの段階がみられる。

[木下清一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の異型配偶子の言及

【精子】より

…同一種の動物または植物において,外形や運動性を異にする2種類以上の配偶子の形成が認められる場合,そのような配偶子を異型配偶子というが,異型配偶子において,外形に大小の区別があるとき,小型のものを精子と呼び,大型のものを卵(卵子)と呼んでいる。典型的な精子は,卵に比較して著しく小型であるのみならず,運動性に富む。…

【配偶子】より

…有性生殖のための単一の生殖細胞で,雌雄の配偶子は合体あるいは接合する。動物およびラン藻以外の有性生殖を営む植物に広く存在する。植物では配偶体上に生じる配偶子囊gametangiumの中につくられるが,クラミドモナスChlamydomonasなどの単細胞の藻類では,配偶子は個体細胞と外形上区別がつかない。クラミドモナス,ウロツリックスなどの藻類のように,雌雄の配偶子が同形で区別がつかないものを同形配偶子isogamete,雌性配偶子が大きく,雄性配偶子が小さいものを異形配偶子anisogameteという。…

【卵】より

…同一種の動植物において,生殖に関与する配偶子に形態学,生理学的な差が認められ,2種類以上のものが区別される場合に,それらを異型配偶子と呼ぶ。異型配偶子は形の大小にしたがって,それぞれ大配偶子,小配偶子と名づけられているが,大配偶子は一般に運動性をもたず,細胞質内には栄養物質を多量に有し,卵または卵子と呼ばれる。…

※「異型配偶子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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