異心(読み)コトゴコロ

デジタル大辞泉 「異心」の意味・読み・例文・類語

こと‐ごころ【異心】

ほかの事を思うこと。別の考え。他意
「―なくて、夜を昼になしてなむ、急ぎまかで来し」〈宇津保・吹上上〉
ほかの人を思う心。ふたごころ。あだしごころ。浮気心。
「年ごろ―なくて過ぐし給へるなどを」〈藤裏葉

い‐しん【異心】

裏切りをたくらむ心。ふたごころ。反逆心。「異心をいだく」「異心を挟む」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「異心」の意味・読み・例文・類語

こと‐ごころ【異心】

〘名〙
① ほかの考え。別の気持。他心。他意。
② ほかのことを思う気持。余念
※宇津保(970‐999頃)吹上上「事の序に語り申しをうけたまはりしに、こと心なくて、夜を昼になしてなん、急ぎまかで来し」
③ ほかの人を思う心。ふたごころ。あだし心。うわき心。
古今(905‐914)雑下・九九四・左注「あやしと思ひて、もしなきまに、こと心もやあるとうたがひて」

い‐しん【異心】

〘名〙 異なる心。相手を裏切ろうとする心。謀反をたくらむ心。ふたごころ。異志
玉葉‐治承五年(1181)五月一日「伝聞、頼朝已欲上洛云々、是武蔵之有勢之輩等、有異心」 〔法華経‐譬喩品〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「異心」の読み・字形・画数・意味

【異心】いしん

ふた心。そむく心。〔左伝、昭三十一年〕(も)し君に從ひて歸るを得ば、則ち固(もと)より臣の願ひなり。敢て異心らんや。

字通「異」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android