疾風に勁草を知る(読み)しっぷうにけいそうをしる

精選版 日本国語大辞典 「疾風に勁草を知る」の意味・読み・例文・類語

しっぷう【疾風】 に 勁草(けいそう)を知(し)

(「後漢書王覇伝」の「光武謂覇曰、潁川従我者皆逝、而子独留努力、疾風勁草」から) はげしい風が吹いて初めて強い草が見分けられる。転じて、苦難事変に遭遇してはじめてその人の節操の堅さや意志の強さなどがわかるというたとえ。
随筆山中人饒舌(1813)上「疾風見勁草。晩信直指之道」 〔宋書‐顧顗之伝〕

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デジタル大辞泉 「疾風に勁草を知る」の意味・読み・例文・類語

疾風しっぷう勁草けいそう

《「後漢書」王覇伝から》激しい風が吹いてはじめて丈夫な草が見分けられる。苦難にあってはじめて、その人の節操の堅さや意志の強さがわかるということ。

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故事成語を知る辞典 「疾風に勁草を知る」の解説

疾風に勁草を知る

苦難に遭ってはじめて、その人の意志の強さや節操の堅さがわかることのたとえ。

[使用例] 古語に疾風に勁草を知ると云えど、高き枝は折れ易きのたとえに洩れず[末広鉄腸雪中梅|1886]

[由来] 「後漢書おう伝」に見えるエピソードから。一世紀の中国で、しんという王朝に対する反乱があちこちで生じていたときのこと。豪族の一人、りゅうしゅうも新王朝打倒に立ち上がりましたが、苦戦が続き、旗揚げ当時に付き従っていた者たちは、次々に離れ去ってしまいました。そこで、劉秀は、一人だけ残っていた王覇という武将に向かって、「疾風に勁草を知る(激しい風が吹くと、風に吹き折れない強い草を見分けられるようになる)」と言った、ということです。苦難を共にしてくれた王覇の助けもあり、後に劉秀は天下を統一して、後漢王朝を開くことになります。

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