(読み)いえる

精選版 日本国語大辞典 「癒」の意味・読み・例文・類語

い・える【癒】

〘自ア下一(ヤ下一)〙 い・ゆ 〘自ヤ下二〙
病気や傷が治る。全快する。本復する。
書紀(720)皇極四年四月(岩崎本訓)「此を以て治めば、病愈(イエ)ざること無し」
② 怒り、悲しみなどの気持や心の悩みなどが消える。
※門三味線(1895)〈斎藤緑雨一九「ぶって癒(イユ)貴女(あなた)の腹なら、お打(ぶち)お打ち」

いる【癒】

〘自ア上一〙 異常な状態などが収まる。落ち着く。多く「腹がいる」などの形で、怒りが解ける意にいう。
浮世草子・風流曲三味線(1706)四「藤七めが鼻の先で、さいなまねば腹が癒(イ)ぬ」
[語誌]「腹が立つ」に対する「腹がゐ(居)る」であったものが、「イ」と「ヰ」の混同によって「ゐ(居)る」が「い(癒)る」と意識されるようになって生じた語。→居(い)る

い・ゆ【癒】

〘自ヤ下二〙 ⇒いえる(癒)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「癒」の意味・読み・例文・類語

ゆ【癒】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) [訓]いえる いやす
病気が治る。「癒合癒着快癒全癒治癒平癒
難読腹癒はらい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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