発汗剤(読み)はっかんざい

精選版 日本国語大辞典 「発汗剤」の意味・読み・例文・類語

はっかん‐ざい【発汗剤】

〘名〙 汗の分泌を促進する薬剤アスピリンエフェドリンピロカルピンなどの類。
※形影夜話(1810)上「阿蘭にても諸瘡瘍多くは発汗剤を与へ」

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デジタル大辞泉 「発汗剤」の意味・読み・例文・類語

はっかん‐ざい【発汗剤】

発汗を促す薬剤。アスピリン・ピロカルピンや麻黄葛根など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「発汗剤」の意味・わかりやすい解説

発汗剤
はっかんざい

発汗を促すことによって体温を下降させる薬剤。ピロカルピンやアスピリン、エフェドリンなどは発汗作用をもっているが、発汗を目的として用いるものではない。アスピリンなどでは発汗作用は副作用と考えられている。しかし、漢方医学では、発汗は重要な治療法の一つとされており、発熱頭痛寒気などに対して麻黄(まおう)や桂皮(けいひ)をはじめ、葛根(かっこん)、防風(ぼうふう)、紫蘇(しそ)、独活(どくかつ)、升麻(しょうま)などの発汗剤を用いる。とくに麻黄湯、麻杏甘石(まきょうかんせき)湯、葛根湯などがよく使用されている。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「発汗剤」の意味・わかりやすい解説

発汗剤
はっかんざい
diaporetic

汗の分泌を促進する薬剤。直接汗腺に作用する薬剤と,発汗中枢に作用するものとの2種類ある。汗腺の活動副交感神経系によって支配されているので,ピロカルピンによって発汗し,アトロピンによって抑制される。視床下部にある中枢に作用するものではエフェドリン,アスピリン,サリチル酸ソーダインスリンアドレナリンアセチルコリンなどがある。

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